第一章「文章の書き方」

3.書きたいことを書き出す

文章を書くための準備が出来たら、実際に文章を書いてみます。
と言っても、完璧な文書を書く必要はありません。

  • 上手い文章を書こう。

  • 完璧な文章を書こう。

このような意識は捨ててください。
「何を書くか」が決まったからといって、すぐにまとまった文章を書かなければいけないというルールはありません。
まず、自分が書きたいことを書き出してみることから始めてください。

上手く文章を書こうという気持ちが大きすぎると、文章が書けなくなってしまったり、書くことがストレスになってしまいます。
書く内容が決まっていても、「どんな順番で書けば面白いだろう」「上手くまとめなければ」と考えてしまうと、先が書けなくなってしまうものです。

最初は、上手い下手を考えずに、短い文章でも良いので書き出してください。
短い文章といっても何を書けば良いのかわからないという場合には、書きたいことの「あらすじ」を書くつもりで書いてみましょう。
書きたいことを箇条書きにしてもかまいません。

書きたいものが日記なら、「誰が何をした」「どこで何が起こった」など、どんどん書き出していってください。

商品説明なら、商品説明のポイントになるようなことを書き出していくと良いでしょう。
パソコンのメモ帳に書き出しても良いですし、手書きの方が楽だという場合には、ノートなどに書き出しても良いです。

自分が楽だと思うものに、書き出してみてください。
たとえば、日記を書きたいというときには、次のようにメモ帳やノートに書き出してみましょう。

  • 昼休みに新商品のサンプルが届いた。
  • 思った以上に良い出来でみんな喜んだ。
  • ○○さんがサンプルを壊してしまった。
  • サンプルを壊した○○さんが慌てて直そうとした
  • ○○さんは慌ててさらにサンプルを壊してしまった

難しく考えずに、その日会社で起こったことを書き出すだけです。
書き出すことは、多ければ多いほど良いでしょう。
短い文章でかまわないので、なるべくたくさん書き出してください。
この書き出したものをベースにして文章をまとめますから、たくさん書き出しておくと文章にボリュームが出ます。

文章を書くことに慣れてくると、短い文章なら「書きたいことを書き出す」作業を省くことができるようになります。
しかし、慣れるまでは、面倒でも書きたいことを書き出してから文章を書いてください。
書きたいことを書き出していく作業も、文章を書くことに慣れるために必要なことです。
「書きたいことを書き出す」作業は、長い文章を書くときには必ず必要になる作業です。

4.テーマを決める

具体的に何を書くかを決めて、書きたいことを書き出しました。
次にすることは、テーマを決めることです。
テーマというと肩が凝りそうなものをイメージしてしまいますが、簡単に考えてください。
「テーマ=一番書きたいこと」と考えれば良いでしょう。

「日記」や「商品説明」を書くと決めていても、その「日記」「商品説明」のテーマが何であるかが決まっていないと、わかりにくい文章になってしまいます。
文章の中で、一番伝えたいことが何かを考えてください。

そのために、書きたいことを書き出したメモを見返してみましょう。
メモを見返すことで、何が一番言いたいことなのか考えやすくなります。
ここで、さきほど一例として書き出した文章を見返してみましょう。

  • 昼休みに新商品のサンプルが届いた。
  • 思った以上に良い出来でみんな喜んだ。
  • ○○さんがサンプルを壊してしまった。
  • サンプルを壊した○○さんが慌てて直そうとした
  • ○○さんは慌ててさらにサンプルを壊してしまった

書き出したこの5つの文章から、何をテーマにするか決めます。
日記用に書き出したこの文章に登場するものには、「サンプル」「壊した○○さん」があります。
テーマにするものは、このように文章中にたくさん登場するものにすると良いでしょう。
この場合には、「サンプル」か「壊した○○さん」をテーマにすることで、文章が書きやすくなります。
書き出した文章をベースにして文章をまとめますから、ほとんど登場しないものをテーマに選んでしまうと、文章をまとめにくくなってしまいます。
ほとんど登場しないものをどうしてもテーマにしたい場合は、テーマにするものについてさらに書き出してください。

「サンプル」「サンプルを壊した○○さん」のどちらをテーマに選ぶかですが、これは書きたいことがどのようなことかによります。
商品についてよく知ってもらいたいと考えている場合には、「サンプル」をテーマに選ぶことで、新商品について詳しく書くことができるはずです。
社内のことをコミカルに書いて、親しみを会社に持ってもらいたい場合には「サンプルを壊した○○さん」を選ぶと良いでしょう。

何をテーマにするかで、文章の内容や雰囲気が変わります。
書き出した文章のどの部分に焦点を当てたいのか考えてください。
いくつかテーマになるものがある場合は、自分の書きたいことや考えに合っているものを選びましょう。
文章を書くことに慣れていないうちは、一番書きやすそうなテーマを選んでください。
そして、書き出した文章では足りないと感じる場合には、テーマに合わせて文章を付け加えてください。

テーマを決める理由

文章のテーマを決める理由は、わかりやすい文章を書くためです。
テーマを決めて、テーマに沿って文章を書くことで、何について書いてあるかわからない文章になってしまうことを防ぎます。
何が書いてあるのか理解しにくい文章というのは、読んでいて疲れてしまうものです。
自分で読み返してみたときに、「どこか変だな」と感じる文章になっています。
もちろん、自分以外の人が読んだときにも、何について書いてあるのかわからない文章になっているでしょう。
人に読んでもらう文章は、わかりやすい文章でなければいけません。
テーマを決めておくことは、人に何かを伝える文章を書くために必要なことです。