ライターなら誰もが持っているであろう「得意分野」。例えば恋愛や育児など、自分が詳しいジャンルなら誰にも負けない! という自信を持っている人も多いのではないでしょうか。
でも「得意分野」の記事だけを書いていたら、毎回同じようなジャンルだと煮詰まってきませんか? 今回は「ライターの得意分野」について考えてみたいと思います。
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ライターにとって「得意分野」があるのは、自分の得手不得手を冷静に分析できている証拠です。大きな武器といってもいいでしょう。
「自分はどういうジャンルなら詳しく書けるだろう?」という自己分析をした結果、得意分野がおのずと決まります。
でも得意分野の記事ばかりを書いていると、正直なところ煮詰まることもあるでしょう。定期的に同じ分野で、似たような記事内容の依頼を請負うと「いくら得意分野でも……」と、くじけそうになることはありませんか?
クライアントさまによっては、契約の際に「得意分野」を自己申告する場合があります。そして執筆したものがクライアントさまに認められると、再度依頼を頂くこともあります。
ですが、それが繰り返し続くとなると、次第に求められているものに応じる自信がなくなることもあるかと思うのです。
「このままではスキルが上がらなくなるかも……。でも得意分野はこれしかない…。」
なんて思い込んでいると、武器のはずの「得意分野」に縛られて身動きが取れなくなる可能性もあります。
得意分野を幅広く持っている人は苦労することも少ないかもしれませんが、私のように少ない場合は「得意分野だけの仕事をこなす」なんてやっていたら、ほとんど仕事が来なくなってしまいます。
書いている途中で「これはまったくわからないから調べないと」という場面は多いもの。調べてみて初めて知識が増えることもあります。
前に専門的な内容の記事を依頼されたとき、ジャンルとしては完全に「不得意分野」で、知識も全くなく、まずは調べることから始めました。
今はインターネットでいろいろな情報を取捨選択することができます。専門的な知識を調べまくって、苦手な語学の文章を読んで自分の頭にしみこませて、なんとか記事を書くことが出来ました。
そう、「不得意分野」は「調べれば何とかなる」ことの方が多いのです。自分が苦手なジャンルだからって敬遠していると、ライターとしてのスキルは上がりません。
たとえ不得意分野だったとしても、調べて理解できれば「不得意」から「少しは書ける」という状態になります。
「不得意分野をどうやって攻略するか」によって、ライターとしての今後が決まるのではないでしょうか。
得意分野の記事が難なく書けるのは、ライターとしてはもはや当たり前のことでしょう。
クライアントさま側としても、得意だと申告しているからこそ任せたいという気持ちを持ってくださるのは必然的なことかと思うのです。
だからこそ、それなりにレベルの高い記事として完成させる。これもまた必然的なことといえます。
不得意分野の記事は、最初は書くのが大変です。文章を書く時間よりも、下調べの時間の方が長くかかることがほとんどです。でもそれでいいのではないでしょうか。
「得意分野だから」と思ってさらさらっと書いた文章と、「不得意分野だから」と思って丁寧に下調べをして書いた文章、どちらもライターの武器になります。
得意分野はもちろん、不得意分野も何とか書けるなら、ライターとしての腕前は相当なものです。自分の視野が広がって、依頼される仕事の幅も広がります。そうなったら「同じようなネタばかりで飽きる」なんてこともなくなります。
最初から「どんなジャンルでも上手く書ける」なんていうライターはいません。みんな最初は「得意分野」の記事を書くことから始まります。
得意分野を持ちつつ、不得意分野を避けずに少しずつでいいから書けるように努力していく。そしていつかは「どんなネタでも書けるライター」になること。
それが、今の私の一番の目標です。
ライターの「得意分野」は、武器ではありますが縛られる可能性もある「諸刃の剣」。得意分野にばかりこだわっていると、ライターとしてのスキルも頭打ちです。
「不得意分野」は苦手意識を持つ人が多いですが、調べてみると意外と「あれ、こんな簡単な話だったんだ」とわかることもあります。
「得意分野」だけではなく「不得意分野」にも目を向けてみることが、ライターとして成長できる始めの一歩ではないでしょうか。