最近は断捨離ブームの影響で、モノを持たないシンプルな暮らしする人も増えています。しかしその反動もあってカタチをもたないデジタルデータに頼りすぎ、増える一方になっていることも……。今回は、それらデータをスッキリと整理整頓するコツをご紹介します。
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「モノ」が極端に増えてくると物置や貸倉庫を利用することもできますが、それなりにお金がかかります。一方でデータに関しては無料のオンラインストレージ(補助記憶装置)が多数あり、有料の場合も安価のため、ついつい容量を増やしてしまいがち。しかしこれが、保有するデジタルデータが減らない原因のひとつでもあるのです。
しまう場所に余裕があれば、そこに何かを詰めたくなってしまうのは当然のこと。それならあえてストレージの容量を一定に保ち、それ以上増やさないようにしながらリアル断捨離と同じようにシンプルさを心がければ、データが山盛りになる心配もありません。パソコン容量も余裕があると、動作も快適で作業しやすくなりますよ。
「モノ」として持っておくほどではないけれどそのまま捨てるのは……という思い出のものは、写真撮影などして、データ保管するのが良いといわれています。その他にもかさばる紙モノ・CDなどもすべてデータ化してしまえば、かなりモノが減りスッキリすることでしょう。
しかしなんでもかんでもデータ化すればよいというわけではありません。これでは「モノ」が「データ」に変わっただけですから、部屋空間がスッキリしてもパソコンなどの記録媒体の中身が増えただけで全体量は変わっていません。しかも「データ変換」には時間と手間がかかりますから「モノ」が多いほど作業量も多くなる傾向に。
実はデータ化しても、その後そのデータを使用しないケースは多いのです。これは「データ化」という作業をすることで自分を正当化させ、断捨離を先延ばしにしている証拠。このままでは「もったいない」という考え方が抜けずに、整理整頓をうまくすすめることができません。まずは「モノ」と向き合い、最低限のものだけをデータ化するようにしましょう。
フリーランスとして仕事をするからには、仕事データも自分の責任のもとしっかりと保管する必要があります。年度(月)別、ジャンル別等に分け、タイトルで内容がすぐに把握できるようにしておきましょう。校正等何度か手直しをする可能性があるのなら、中間データも都度整理しておきます。一段落した仕事はまとめて圧縮し、外部記録メディアやオンラインストレージなどを利用して、データができるだけロストしないような保管を。また、取引先とフリーメールなどのWebメールを利用して添付ファイルをやり取りしているのであれば、データがサーバーに残ってバックアップとしても使えます。
仕事内容によっては、過去の仕事データをその後使う機会がほとんどないということもあるでしょう。しかしフリーランスは過去の経験や実績を知ってもらうことが、仕事の幅を広げるキッカケになることもあります。できるだけ自分が関わった仕事は記録しておき、いつでも確認できるようにしておくといいでしょう。
個人(趣味等)で保有するデータといえば、画像(写真、イラスト等)、動画(ホームビデオ等)、音楽が大半です。市販されている音楽や映像ならばネットを使って視聴・レンタルなどができるものも多いですから、お気に入り以外のCD・DVD・ブルーレイ等は思い切って処分してしまいましょう。データ購入する場合は販売元が購入履歴を保管し、いつでもサーバーからダウンロードできるようなシステムがオススメ。自分で管理する容量や手間がグンと減って楽になります。
写真やホームビデオなどは、うつりのいいものを厳選して残しましょう。未整理のままたまってくるとチェックが大変なので、撮影してから時間をおかずに整理します。写真はアイコンのプレビューですぐに確認できますが動画は再生してみないと内容がわからないため、最優先で編集&分類するようにしましょう。
ちなみに「残すデータより圧倒的に捨てるデータが多い」という場合は、保管用フォルダを新規に作り、残すデータをそこに移動させた方が効率が良いです。捨てるデータをひとつひとつ選んでいると手間ですし、ついうっかり残すデータまで捨ててしまった、というようなミスも防げます。
1.お気に入りデータを効率よく使う方法
趣味データが一通り整理できると、捨てられないデータや、お気に入りデータが手元に残ります。しかしそのまま保管していてもなかなかデータを開く機会がないということなら、ぜひ積極的に利用してみましょう。
画像→デスクトップの壁紙、スクリーンセーバー、アカウント用などとして。複数あるならランダムで表示されるようにしておく。
動画→スキマ時間で見られるように、映像時間を短めに設定。フォルダやタイトルで分類わけをし、デスクトップからすぐに開けるような状態にしておく。
音楽→音楽再生アプリに登録し、パソコン利用時などにバックミュージックとしてランダム再生させる。
さらにスマホなどを併用すれば利用機会がグンと増えます。自分がよく使う環境にお気に入りデータを使い、プライベートを充実させてみましょう。
2.お気に入りをあえて「カタチ」にして残す
この記事の前半に「モノを厳選してデータ化する」方法をご紹介しましたが、それを逆にして「データを厳選してモノ化する」のもオススメな方法です。こうすればお気に入りをより身近に感じることができ、愛着もわいて、万が一データをロストした場合にも安心です。厳選していればそれほどモノも増えませんし、パソコンを利用せずにいつでも楽しむことができます。
特にフォトブックは、好きなように編集ができ「自分だけのお気に入りの一冊」を作ることができて便利です。ほとんどの業者がネットを使った画像のアップロード、加工等に対応しているため、初心者でも簡単に操作が可能。仕上がりのサイズ、ページ数、紙質等によって価格が変動しますが、ここではあえて豪華なつくりにしないのがポイント。例えば「卒業アルバム」や「結婚写真」のような作りにしてしまうと扱いづらく場所も取って、ほとんど見る機会がなくなってしまいますよね。しかし「実用書」や「マンガ本」のような作りなら保管もしやすく、いつでも手に取って見ることができます。元画像はデータとして保管してあるのですから、モノとして残すならぜひ後者にして、お気に入りを身近なものにするといいでしょう。
場所はほとんどとらないものの、意外に多いのが不要なブックマークです。とりあえずしおりは挟んだものの「後でじっくり読もうと思った記事」や「気になった商品が売られているサイト」などは、タイトルからページの内容が把握できないものばかり。さらに増えすぎると覚えきれずに、結局また検索するところからはじめてしまうのでほとんど意味がないのです。
どうしても後々見たいページは、タイトルから内容がわかるように編集するなどして、フォルダに分類しましょう。「今月中に見ておくサイト」「○○案件用のサイト」など、必要な時期がすぎたらそのまま捨てられるようにしておくと便利です。
いまやインターネットを使えば、必要な情報がいつでも簡単に取り出せる時代となりました。ぜひこれらを上手に使いこなして、所有データがいつでも整理整頓された状況を心がけてみてくださいね。