前編では、不正アクセス被害の内容についてご紹介しました。
後編は被害前にできる対策と、被害後でも間に合う対策についてまとめています。
今からでも遅くないので、ぜひあなたも今すぐできることから始めてみてください。
目次
前編にも書いた筆者のランサムウェア被害については、すでにサポートが終了していたOSを使用していたことが原因かと思います。
当然アプリケーションなどもしばらく更新せずに放置だったので、脆弱性(ぜいじゃくせい)を認識しつつも使っておりました。
こんなにもあっさり感染するのか、と思った時にはすでに時遅しです。
現在はもちろん改善しておりますが、もし今あなたが脆弱性のあるPCを使っているのなら、大事なPC内のデータを守るためにも、すぐに最新のOSにするなど対策を行ってみてください。
忘れないから便利でもあるのですが、ログインIDにメールアドレスを採用しているサイトが多くあります。
しかし不正アクセスを受けやすいということから、別のIDを設定できるサイトもありますから、できるだけメールアドレスは使用せずに個別のIDを設定しましょう。
パスワードにもIDにも言えることですが、これらは他サイトと統一せずに別なものに変えること。
とはいっても、そんなにたくさんのIDやパスワードはなかなか覚えきれません。
そのため最近は複数のパスワードなどを管理する便利なアプリも登場しています。
定期的な変更も有効ですから、手間ではあるもののぜひ積極的に実践していきましょう。
デジタルデータは漏えいの危険性が……となると、実はアナログでノートなどに書きとめておく方が安全という考え方もありかもしれません。
ただしそのノートは厳重管理必須。
定期的にパスワードを変えるとなると手間もかかりますが、データ保管がどうしても心配な人は実践してみましょう。
データロスト、ノート紛失などの状況を考えて、データとアナログ両方保管しておけばなお安心です。
登録サイトが増えるとそれだけ個人情報漏えいのリスクが高まります。
サイト登録のたびにメールマガジンの受信を許可していると、一日に大量の広告メールが届く……なんてこともよくある話。
毎朝受信箱を開けるたび、不要なメールが来ている人も多いことでしょう。
そこで一日1件ずつでもいいので、不要な登録サイトを解約して個人情報漏えいを防ぐ対策を実践してみませんか?
メールマガジンが届いているのなら、そこから不要なサイトを選べばOK。
まとめてやると手間ですが、1日1件なら10分程度で終わります。こうすることで広告メールがだんだんと減ってくることでしょう。
よく使うサイトの登録情報を確認して、
このような対策をしておきましょう。
頻繁に使うサイトだと個人情報も最新のものなので、漏えいが起きると痛手になります。
OSやサイトによっては、一度IDやパスワードを入力することで次回からログインの手間を省くために、ログイン状態を保持する設定を選ぶことができます。
頻繁に利用するサイトなら保持しておくのが便利ですが、持ち歩く機会の多いノートPC、タブレット、スマホは紛失や盗難の可能性もあるのでできるだけ常にログアウトする癖を付けましょう。
また、職場や公共の場所などではいつ誰に見られるかわかりませんから、利用には細心の注意を。
前編で紹介したYahoo!の不正ログインですが、被害に気づいたのは転送していたメールが届かなくなったことでした。
普段はこのYahoo!IDではログインせずに、メールだけを他のメールアドレスに飛ばしていたのですが、それがピタリと止まったのです。
おかしいと思いログインし、メール転送の欄を見たところ設定が変更されており、受信箱にたまっていました。
不正アクセスを受けた際に変更されたようですが、それで逆に気づくことができました。
このようなメールの不着で気づくケースはまれかもしれません。
不正アクセスでは金銭にかかわることが被害に直結しやすいもの。
特にポイントなどは不正アクセスに気づかれるより先に、早々と買い物等に利用されてしまうケースがあります。
ポイント利用は不正アクセスが認められれば保証してくれるケースも多いのですが、手続きが面倒と考え、あきらめてしまう人もいるはず。
前編でも触れましたが、ポイントが多いと目を付けられやすいのでできるだけためこまずに、積極的に使っておくのもいいでしょう。
また、クレカの場合も利用時にメール通知がくるアラート設定をしておくと不正利用にいち早く気づきやすくなります。
最近はカード利用明細が電子化しているカード会社がほとんどですから、定期的に明細をチェックし、身に覚えがない利用がないかもチェックするようにしましょう。
さて、いかがでしたでしょうか。
今回紹介した対策はいずれも決して真新しいものではありません。
しかし不正アクセスを防ぐ対策には「これさえしておけば大丈夫」というような確実なものはないので、できることを地道に行い、常に気にかけておくことが大切です。
手間はかかるものの、その行動ひとつで不正アクセスを受ける可能性も減っていきますので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。