匿名ライター Tokumei Writer

温泉はいろいろな物質が溶け込んでいるので、浸かることによってさまざまな効果や効能を得ることができます。泉質によって効果や効能は異なるので、まずはどの成分がどのような効果や効能をもたらしてくれるのかを見ていきましょう。

肌によい泉質の温泉

アトピー皮膚炎などのアレルギー疾患のある人や、吹き出物などができやすい人などには、肌によい温泉がおすすめです。女性の場合には、肌に疾患がなくても美肌になりたい、潤いのある肌になりたいと願う人も多いでしょう。そんなときには肌によい温泉に浸かるとよいのですが、どのような泉質が肌によいのか知らなければ意味がありません。そこで肌によいおすすめの泉質をいくつか紹介します。

保湿や保温をしたい場合には、塩化物泉がよいでしょう。塩化物泉とは塩素イオンが20パーセント以上、1キログラム当たり1000ミリグラム以上の溶存物質が含まれている泉質を指します。湯冷めしにくくて肌に潤いを与えてくれるので、冷え性の人や乾燥肌の人に適しています。兵庫県の有馬温泉や静岡県の熱海温泉に多い泉質です。

アトピー皮膚炎やキズが化膿しやすい人には、酸性泉がおすすめです。酸性泉とは名前の通りph値が低い酸性のお湯になっているのが特徴で、皮膚炎や不要な角質を落としてくれる効果が期待できます。胃腸の働きを活発にしてくれる効果や、肌のキメを整える効果も期待できますが、刺激が少々強いので、肌の弱い人にはあまり向いていません。新玉川温泉や蓼科温泉に行けば酸性泉の温泉があります。

体内に効果的な泉質の温泉

温泉には肌によい効果をもたらしてくれる泉質もありますし、体内の病気などによい効果が得られる泉質もあります。最近便秘で悩んでいるのであれば、硫黄泉の温泉に浸かるのがよいでしょう。硫黄泉には血行促進や毛細血管拡張作用があります。特にゆで卵のような匂いのする硫化水素型は新陳代謝をよくしてくれるので、便秘の解消やデトックス効果が期待できるのです。エメラルドグリーンになりやすい単純硫黄型は、解毒作用や殺菌作用があるので、肌にもよい影響を与えてくれます。草津温泉や岳温泉などに硫黄泉が多くなっています。

二酸化炭素泉は1キログラム当たり炭酸が1グラム以上含まれている温泉で、略して炭酸泉とも呼ばれています。高血圧や動脈硬化など、循環器関連の病気によい効果をもたらしてくれると言われているのです。火傷などにも効果的なのですが、日本にある温泉の0.6％ほどしか存在していない貴重な泉質となります。主な場所は大分県の別府温泉や熊本県の湯の児温泉など、九州に多いのが特徴です。