イメージが明確に伝わる分、ときにライターに大きなプレッシャーを与えるのが、文章の「雰囲気」指示です。求められる雰囲気は、実に様々。思い返してみると……「え!?」と思ってしまうような「雰囲気」依頼、今回は第2弾を紹介します! 戸惑いながらも、その都度、一生懸命にこなしています。
目次
さて、今回紹介する「雰囲気指示」は、「書き手」としての私を、一歩成長させてくれたもの。
それは、
「大らかで柔らかい雰囲気で、読み手を導くような雰囲気で」
という指示です。
ネットで文章を検索するとき、大きな不安にとらわれている方もいるでしょう。
もしもそんなとき、「大らかで柔らかい雰囲気の中、読み手を優しく導いてくれるような文章」に出会えたら……思わずのめり込んでしまうはず。
気持ちは、非常にわかります。
依頼主様のご期待も、よく伝わってきます。
ただ……現実に文章で表現するのは、決して簡単なことではありません。
柔らかさの中に、人を導く確かな力強さがある。
確かに、そんな「言葉」を持つ方は実在しています。
特別なことをしていなくても、なぜか周囲の注目を集めてしまうような……そんな特別な雰囲気を持った人だと想像しています。
対して私は、というと……
33歳、女性、主婦業の傍ら、基本は家でパソコンに向き合っている生活。
残念ながら、「特別な雰囲気」の欠片も持ち合わせていない、ごく普通の人間です。
人を導けるような、重い過去や特別な使命を持っているわけではありません。
それでも、「読み手を導け」と言われたら、「導く文章」を書くのが、書き手としての役割です。
できる限り、依頼主様の希望に近づけるよう、文章の中に様々な工夫をこらしています。
人を導くような大らかさや柔らかさ、そして信頼感を演出するため、私が気を使っている点の一つめは、「言葉の選択の仕方」です。
説得力を持たせるため、極力カタカナ語は排除しています。
どことなく洒落た雰囲気を与えてくれるカタカナ語ですが、書き手も読み手も、その意味を正確に把握できないまま、「なんとなく」で読み飛ばされてしまうことも多いもの。
理解できない言葉が多用された文章に触れたとき、どこか「胡散臭い」と感じる方は少なくないはず。
できるだけわかりやすい言葉で、読み手に話しかけるような気持ちで、文章を作成しています。
それと共に、もう一点、気を使っている点があります。
それは、あえて「句読点」を多めに使うこと。
句読点に触れたとき、人間は自然と「心の中で一息入れる」ものです。
多めに使うことで、一つ一つの文章が、じっくりと読み手の心に染み込んでいく効果を期待しています。
今回のコラムは、こうした手法を用いて、作成してみました。
「ライター」のことをあえて「書き手」と表現し、句読点も多めに使っています。
普段とは少し違った雰囲気を、体験していただけたのではないでしょうか。
文章表現の可能性をあれこれと考えさせてくれるのが、依頼人からの「雰囲気指示」なのかもしれません。次はどんな指示がやってくるかな~?と、実は少し、楽しみにしています!