WEBライターは時給換算するといくらなのか

WEBライターのお金まわりのこと、結構気になっている方も多いのではないでしょうか。WEBライターというお仕事は、ご存じの方も多い通りにフリーランス系のお仕事に入ります。業務委託契約を企業と結び、記事単価と執筆した記事数でその月の収入が決まる、というお仕事です。

……で、結局WEBライターって稼げるの? 時給だとどの位になるの?ということですが、残念ながらこれは書く人(執筆のスピードや得意・不得意ジャンルの有無)、引き受けた記事の内容によってまちまちです。

筆者の場合も時給3,000円以上の時もあれば、恐ろしい場合では時給100円未満なんて時もあったと思います。

ただこんなに時給に波があると、生活がまず成り立ちません。それにある月は米も買えず、ある月は支払滞納……なんていう生活をしてしまうと、いくら好きなことをしてお金を稼げたとしても心が折れて最後には書けなくなってしまいます。

そのため収入に波があるのは避けたければ、なんとか安定した収入を得るような工夫を執筆に盛り込む必要があります。

じゃあこんなWEBライターという仕事を選んでしまった場合、何をどうしたら収入が安定するのか。それには具体的には下記のような4つの工夫が必要だと思っています。

そこでWEBライティング収入をある程度安定させるために、筆者がやっているいろんな工夫をご紹介します。

目次

1記事あたりの執筆時間を把握する

IMG_5539-1300x866

安定した収入を稼ぐためには1記事あたりの執筆時間を大体でいいので把握しておくことが、とても大事です。例えば筆者の場合、下記のように思いつきで文章を書いた場合は約100文字で2分でした。

みなさん、飲み物はどんな飲み物が好きですか? 筆者はなんといってもアイスコーヒーが大好きです。アイスコーヒーは執筆の際の集中力を高めてくれ、ほっと一息つきたい時、気分転換をしたい時にもぴったり合います。

では、これをもう少し記事っぽく仕上げるとすると、一体何分かかるのか。下記のような記事に仕上げた場合は、約100文字で5分でした。

眠気覚ましや集中力アップのため、よく飲まれているコーヒーですがホットで飲むかアイスで飲むかでカフェインの効き具合に差があるのをご存じでしたでしょうか? ちなみに、カフェインの効き具合が早いのはホットです。

100文字あたりの差に3分差がありますが、これは情報を調べていた時間の差。この3分間に筆者が何を調べていたかというと、「そういえばいつもアイスコーヒーを飲んでいるけれど、執筆中に合うのはアイスとホットどっちなんだろう? 調べてみよ~」とネットを漁って情報を確認していた次第です。

どちらもほとんど思ったことをそのまま書いているだけの記事なのですが、情報を確認して加えるかどうかだけで100文字あたり3分の差が出てしまいました。

例えばこれが500文字記事なら、前者記事が10分、後者記事なら25分かかることになり、15分の差が出てしまうことになります。この記事がもし1記事単価50円の記事だった場合、時給はいくらになるかというと、前者記事が時給1,500円、後者記事が時給600円です。
(ちなみに、『だから、調べずに書いた記事が安定収入につながる!』という記事ではありません)

大事なのは、この違いを知っておくことです。

現在、内容重視の記事依頼がほとんどなので、前者記事のように自分の思ったことをそのまま考えなく書ける記事依頼というのはほぼありません。つまり、大体の記事依頼が情報を調べて入れ込んでいく後者の記事の書き方が必要なのです。

上記前提で記事を執筆しなければならない以上、書くスピードはほぼ一定(筆者の場合)なので削れるとしたら「情報を調べる時間」です。

つまり詳しくは調べる必要のない、自分の得意ジャンルの記事ほど1記事あたりの作業時間が少なくなり、時給換算した時に高額になりやすくなるのです。一方で自分がまだ知らないジャンル・調べないとわからない内容の記事の場合は、作業時間が長くなり、時給換算した時にも低い金額になってしまいます。

安定した収入を得るためには、まずはこれを把握しておくことが大事です。

ただ、そうそう詳しく調べる必要のない記事ばかりにあたるとは限りません。そんなに記憶力がいい方でもないので、大分前に調べた内容などは忘れてしまっている場合もあります。

こんな時のために、筆者は「固定案件」と「投資案件」と依頼される案件を2種類にわけて、書きやすい手堅い案件で一定の収入を得ながら、書きにくい案件で情報を得て次の執筆につなげる投資を行うという、2つの記事取り組み方をしています。「固定案件」で時給換算した時に高めのお金が入るようにし、収入を安定させ、「投資案件」で情報・知識を仕入れて次回同じ内容が来た時にすらっと書けるようにしておく。こんな取り組み方をすると、比較的筆者の場合は一定の収入が得られやすいと感じています。

「勤め人」から「フリーライター」になって早1年…良かったことと悪かったこと

2015.10.25

自分の得意ジャンル、不得意ジャンルを把握する

自分の得意ジャンル・不得意ジャンルといっても筆者の場合、もともとは何かの専門家という訳でもなく、他の方と知識量はそれほど変わりません。そのため筆者の得意・不得意ジャンルは「情報の好き嫌いの傾向」と言い換えてもいいような気がします。

例えば筆者の場合、不得意なのは法律や政治などの堅い情報です。堅い情報には普段からあまり接してこなかったため「不得意なジャンル」に振り分けています。一方、動物や自然にふれることは大好きなので、「得意なジャンル」に振り分けています。

この情報の好き嫌い(得意ジャンル・不得意ジャンル)を把握しておくのも、執筆スピードを一定に保ち、収入を安定させるのにつながります。

ただこれは人によって差があるかもしれません。筆者の場合、嫌いなことや苦手なことはどんどん忘れていくタイプなので、「不得意なジャンル」の記事は知識・情報量がまったく脳にたまっていかず、そのためいくら数をこなしても執筆スピードが速くならない、という傾向にあるからです。嫌なことほどちゃんと覚えている、という方は「得意・不得意」を逆にして、不得意ジャンルを積極的に書いていくと執筆スピードが速くなるかも?

いずれにせよ「悪いことほど早く忘れやすい」タイプなら得意ジャンルを、「嫌なことほどよく覚えている」なら不得意ジャンルなど、情報を引き出しやすい案件を選ぶと時給換算した時の金額が高くなります。

依頼された記事の構成パターンを把握する

picjumbo.com_HNCK5108

記事の構成は1記事1記事違うようでいて、実はジャンルによって大まかには似ている……というところがあります。それは主に記事を載せる媒体側に都合があるためではないかと思っています。深みのある情報・おもしろい情報を提供して読者獲得・顧客獲得を行う媒体もあれば、次々と記事を読ませていく構成で記事を作り、滞在してもらう時間を延ばそうとしている媒体もあれば、とにかく読者を集めるためにキャッチ―な記事を求めている媒体もあります。この「目的」のところが似ていると、記事の構成がなぜか不思議と似てくるように感じています。またその媒体ごとに求める1記事あたりの文字数も、似た目的で開設されているとある程度似てくるような気がしています。

そのため、「この文字数でこういう目的の媒体だと、構成はこんな感じになるんだろうな~」というのが逆算的にわかってしまうため、記事を執筆すればするほど「構成にあまり頭を使わなくてよくなる」というメリットがあります。このメリットも、収入を安定させるためにはフル活用していきたいところです。

構成パターンがある程度決まっていれば、後は入れる中身を臨機応変で変更していくだけなので、記事を効率的に執筆できるようになります。

情報調査の時間・構成を考える時間が短縮できれば、筆者の場合「文字+情報+構成」の3つ1セットでの記事販売なので、情報と構成の部分がかなり削れます。そして、これができればかなり収入が安定しやすくなってきます。

その記事が「収入源」になるのか「赤字の原因」になるのかが変わってくるのは「情報にかける時間」「構成にかける時間」次第です。

ウェブライターのリアル……その報酬と確定申告について

2015.07.19

情報収集源を確保しておく

自分が知っている情報・知識だけで記事を構成できれば、執筆がスピーディーに行くため一番いいのですが、残念ながら1つのテーマでも多様な内容の執筆依頼が届くことが多い現状では、調べずに記事を書く、というのは難しい場合もたくさんあります。

ただだから情報収集には毎回時間が必要という訳ではなく、「このジャンルの情報なら、信頼できるここから拾えばいい」というソース元を把握しておけば、さっとそこへ取りに行けるためかなりの時間短縮が可能です。情報をなるべく早く拾うことができれば、1記事あたりの執筆時間も短くなります。

……以上のようなことに気を付ければ、しがないWEBライターでも安定した収入を得やすくなります。ただし、時間短縮にばかり囚われていると大きな落とし穴も。古い情報にしか目を通していなくて「その情報、大分前のだよね」なんて言われてしまう恐れも考えられます。

つまり仕事時間中だけでなく、プライベートな時間も「お勉強に励むこと」が大事になります。結局、何事もこれに尽きるのかもしれませんね(そしてまた、寝る時間・休む時間がなくなってモチベーションが下がって効率が下がっていく悪循環にはまるのでありました)。