ライター泣かせの「文字数ダイエット」

日々、ウェブライターとして文章を書くお仕事をしています。報酬は、文字数に応じて決まることが多いもの。文章量が多ければ多いほど、作成には時間がかかりますし、単価もアップ! 反対に文章数が少なければ、手軽に作成でき、「数で稼ぐ」という手法が可能になるはず……。しかしここには、「ライター泣かせ」となる落とし穴が存在しています。

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「読書感想文」がもたらした思い込み

子どもの頃、「読書感想文」の宿題で悩んだ経験はありませんか? 一冊の本を読み、400文字詰め原稿用紙、3枚以上で感想文を書かなくてはならない……。「えー!? そんなに書くことないんだけど!」と思った方は、筆者だけではないはずです(笑) 原稿用紙を埋めるため、あの手この手を模索して……最終的には「秘儀・あらすじ紹介」まで駆使して……身を削る思いで宿題を完成! この経験がもたらしたのは、「長い文章を書くのは大変!」という思い込みです。

今でも「1,000文字以上」のお仕事と、「500文字以上」のお仕事が並んでいると、後者の方が「簡単」に感じがち。しかし、ライターとしてお仕事をしているうちに……徐々に「実は長い文章の方が、楽なのでは!?」と思うようになりました。

文字数を増やす? それとも減らす?

どんな風にお仕事を進めていくのかは、ライターによって異なると思いますが、私の場合、「とりあえず書く」というスタイルが主流です。下調べを終えて、「書きたいこと」が固まったら、まず大まかに「サブタイトル」を決定します。(この文章だと目次部分です。)サブタイトルの数によって、それぞれのボリュームをイメージしたら、「とりあえず書く」という作業をスタートします。その後の校正作業で、内容がかぶっている部分は削ぎ落とし、言い回しが変なところは訂正。そして文字数についても、この段階で調整していきます。文字数が少なければ、下調べ結果から使えるネタを探し、ボリュームアップ! 文字数が多ければ、削れるところを探していきます。

恐怖の「文字数ダイエット」

読書感想文の経験を元にすると、「増やす」方が大変なはず。しかし実際にお仕事をしてみると、文章を「減らす」方がはるかに大変! 自分の書いた文章に「根拠」を与えたり、「新しい情報」を加えたり……「増やす」ための手法は、実に様々です。一方で一度書いた文章を「減らす」ときには、「無駄な部分を判断し、削ぎ落す」ことしかできません。

長い文章は、読むだけで疲れます

お仕事の依頼を受けるときに多いのは「最低文字数のみ」が指定されているケースです。「1,000文字以上」の記事であれば、納品上、「2,000文字」でも「3,000文字」でも問題はないはず……。しかしここで一つ、疑問も生まれてしまいます。それは「これが本当に、依頼主が望んでいる文章なのか」という点です。1,000文字前後でスッキリとまとめたいところに、想像以上のボリュームの記事……。読むだけでも、疲弊してしまいそうですね。

お仕事をいただいた際には、出来る限り最低文字数に近づける努力をしています。内容の質を落とさず、雰囲気も損ねず、読みやすい文章量に……。私の場合、実はこれが一番大変なステップです。特に「初めて頂いたお仕事」の場合、雰囲気をつかむまで、必死で「文字数ダイエット」を行っています。