前回の「工数管理を始めよう! その1・ツール編」では、主に工数管理サービスの使い方についてご紹介しました。
今回は工数管理をすることで、得られるメリットや管理方法について、個人的に感じていることをご紹介したいと思います。
目次
必要なのは「1記事を書くためにかかった時間」と「案件の報酬額」
まず、工数管理に必要なのは1記事を書くためにかかった時間です。
慣れている案件だと、1本書くのにおおよその見当はつけられますが、正確に測ることができればもっといいですよね。
自分でストップウォッチを使って測ってもいいのですが、前回ご紹介したような無料で便利なサービス「Clock It!」もあります。
時間を計る方法はなんでもいいのですが、作業開始前と完了後に押すことを忘れないようにしましょう。
次に必要なのは案件ごとの報酬額です。
時間だけ測って記録しても、工数はわかりますが時給の計算ができません。
報酬額を作業時間で割れば、時給が算出されるので、1記事あたり何円で書くことができるのかがわかるようになります。
下調べの時間と記事作成の時間を分けて入力する
工数を測るときに、一番大事なのが「下調べの時間」と「記事作成の時間」を分けることです。
アンケートコラムにしろ、SEO記事にしろ、どんな案件でも「下調べをまったくしないでいきなり書き始める」ということはまずありません。
むしろ、記事作成の時間よりも、下調べに時間がかかります。
たとえばこのように、
下調べの時間と、記事作成の時間を分けて入力することで、どちらにより時間がかかっているかがひと目でわかります。
私はExcelで計算式を入れて管理していますが、管理方法は自分がやりやすい形ならどんなものでもいいと思います。
ただ、下調べと記事作成の時間を分けて管理することは、あとあとになって役に立ちます。
時給がわかれば「同じような案件が来たときにかかる時間」がわかる
工数と報酬額がわかったら、報酬額を工数で割ることで、時給が計算できます。
たとえばアンケートコラム10本で、報酬額が7,000円だとします。
下調べに3時間、記事作成に3.5時間かかったとすると、時給は約1,077円になります。
ということは、1本あたり1,000円くらいの時給で記事を作成していることになります。
これがわかるようになると、同じような案件が来たときに「このボリュームなら○時間で終わるな」という見通しを立てやすくなります。
また、時給が目に見えることによって、モチベーションアップにも繋がります。
ライターの仕事は時間で拘束されるものではありませんが、成果物に対して工数がどれくらいかかったのか、また時給換算したらどれくらいなのかを把握しておくことは、とても大事なことだと思います。
効率的に記事を書くためにはどうしたらいいかを考えられる
先ほど「下調べの時間」と「記事の作成の時間」を分けることが大事、だと書きました。
なぜそれが大事かというと、下調べの時間と記事作成の時間はまったく別物だからです。
どちらも1記事を完成させるためには必要なものですが、作業自体は異なります。
下調べに6時間かかったけど、記事作成には3時間しかかからなかった、というケースはたくさんあります。
この「下調べの時間」をどれだけ減らせるかを考えることで、記事を効率よく書くことができます。
下調べにもいろいろなものがありますが、普段から工数を管理することで「どうやったら効率的に、かついい記事」が書けるようになるかを考えるようになります。
効率的に書けるように工夫することで、自分の負担も減りますし、その分仕事が早く終わります。
上司の目もなく、定時がない仕事だからこそ、仕事を効率化して早く終わらせる方法を考えることは必要です。
ライターの仕事にも効率化は必要
前回の「工数管理を始めよう! その1・ツール編」でも書きましたが、ライターの仕事でも効率化をすることは大事です。
クリエイティブな仕事だと思われがちですが、実際は綿密な下準備がないと記事が書けません。
ゼロから何かを生み出す作業はとても大変だからこそ、下準備をいかに効率よく終わらせることができるかが、重要なポイントとなります。
「いくら時間がかかってもいいから、いい記事を書きたい」という気持ちは、ライターの仕事をしている人なら誰もが思っていることです。
でも残念ながら、納期は待ってくれません。限られた時間の中で仕事を進める上では、効率化は避けて通れない問題です。
使えるサービスやツールはどんどん使って、1記事あたりの時給が上がれば、自信がついてスキルアップにもなります。
ライターでもデザイナーでも「どんな仕事にも効率化は必要」だと、工数管理を始めてから痛感しています。
まとめ
「工数管理を始めよう! その2・管理編」として、実際に工数を測るメリットや、仕事の効率化についてご紹介しました。
工数管理をすることで、自分のスキルや足りない部分がたくさん見えてきました。
自分の仕事のやり方を振り返るという意味でも、工数を管理して時給を把握することは、とても大事な作業だと思います。